お庭の片隅に、そっとセイヨウジュウニヒトエが咲き始めました。
朝露をまとい、ひっそりと、それでいて誇らしげに、
紫がかった青の花々が、幾重にも重なりながら空を仰いでいます。

その姿はまるで、静かな春の風に舞う、
平安の姫君がまとう十二単のよう。
一枚一枚に季節の光が宿り、
柔らかな陽だまりのなかで、時を忘れるように咲いています。

西洋の土からやってきたこの小さな花は、
強く、しなやかに、日陰にもそっと根を張り、
誰にも気づかれずとも、凛と美しさを湛えて。

花は語らずとも、季節を伝えてくれる。
今年もまた、セイヨウジュウニヒトエが咲いたことに、
ときめきを覚えます。

最後に一句、

ひっそりと 重ね咲く庭 エモンいる