
青く透き通った体を持つウォーターキャットは、窓辺に置かれた花瓶をじっと見つめていました。
花瓶の中には、太陽の光をたっぷり浴びた、鮮やかな黄色いお花が輝いています。
「きれいだなぁ…」
ウォーターキャットはそっと前足を伸ばして、花びらに触れようとしました。でも、水でできた体のせいで、花に触れるとすり抜けてしまいます。
「うーん、どうしたら触れるんだろう?」
悩んでいると、黄色いお花がゆらりと揺れました。まるでウォーターキャットに微笑みかけるように。
「そっか、ぼくは水。だからお花に水をあげることならできるかも」
ウォーターキャットはそっと花瓶の中に前足を伸ばし、花瓶の水と一緒にやさしくお花を包みました。
「うふふ、冷たくて気持ちいいよ。」
黄色いお花が、そうささやいた気がしました。
ウォーターキャットはうれしくなって、しばらくの間、お花と一緒にゆらゆらと揺れながら遊びました。
窓の外では、春の風がそっと吹いていました。
