
秋のある日、ワンちゃんが飼い主さんと
一緒に公園を散歩していました。
イチョウの葉っぱが鮮やかな黄色に染まっていて、
風が吹くたびにキラキラと光を反射していました。

葉っぱたちがひそひそと話し始めました。
「ワンちゃん、もうすぐ私たち、地面に降りるの。」
「降りるって?」とワンちゃんが聞くと、
葉っぱたちは優しく笑いながら答えました。
「しばらくのお別れだよ。でもね、
また春に会えるから安心して。」
ワンちゃんは少し寂しくなりながらも、
「また春にね!」と葉っぱたちに声をかけました。

イチョウの葉っぱは地面に降りていました。
地面一面が黄色のじゅうたんになっていて、
ワンちゃんはふわふわの上を楽しそうに駆け回りました。

地面は白い雪に覆われていました。
イチョウの木にも雪がつもり、寒そうに見えました。
けれど、ワンちゃんは
「イチョウさん、寒くてもがんばってね」と励ましました。

ワンちゃんがくんくんと鼻を動かすと、
どこか新しい匂いがします。
イチョウの木には、小さな黄緑色の芽が顔を出していました。

葉っぱも優しく揺れて「ただいま」と答えてくれました。

暑い日差しの下、イチョウの木は緑色の葉っぱを広げ、
木陰を作っていました。ワンちゃんは涼しい木陰に入って、
気持ちよさそうにお昼寝をしました。
葉っぱたちはそっと風に揺れ、優しい音を奏でていました。